
めだかとは?
日本の風景と共に生きてきた小さな魚
めだかとの出会い
「めだか」は、日本から朝鮮半島、中国、ベトナムにかけて広く分布している小さな淡水魚です。 40万年も前から存在していると言われています。
名前の由来は、大きな目の頭の上の方に行っていることから「目高(めだか)」と呼ばれるようになりました。体長は2〜4センチほどの、非常に小さくて愛らしい魚です。
田んぼとともに生きる「水田の魚」
昔の日本では、「めだか」は田んぼや小川、池などの流れが穏やかな場所で、ごく普通に見ることができる身近な魚でした。
産卵時期は春から夏にかけて。これは、田んぼに水が張られる時期とちょうど重なります。そのため「めだか」は日本の稲作文化とともに一緒にできた「水田の魚」とも呼ばれているのです。
めだかの暮らし方
「めだか」は雑食性で、ミジンコなどの動物プランクトンや藻類、小さな水生昆虫、植物プランクトンを食べています。特に蚊の幼虫であるボウフラを好んで食べるため、昔から人々にとって害虫を退治してくれる「益魚」として親しまれてきました。
寿命は野生では1年数ヶ月程度ですが、人工飼育では3〜5年ほど生きることもあります。春に生まれた稚魚は、夏から秋にかけてゆっくりと成長します。
日本のめだかは実は2種類
キタノメダカとミナミメダカ
日本に住んでいるめだかは、実は「キタノメダカ」と「ミナミメダカ」の2種類に分かれています。この2種類を総称して「ニホンメダカ」と呼びます。
キタノメダカ
兵庫県以北の日本海側と、青森県の太平洋側に分布しています。
ミナミメダカ
日本の主に太平洋側青森県東部から沖縄県まで広く分布しています。
丹波の特別な場所
丹波市には「氷上回廊」という特別な場所があります。 標高わずか95メートルの日本一低い谷中分水界「石生の水分れ」です。雨水が北に落ちると日本海へ、南に落ちると瀬戸内海まで流れていきます。
この地域は、キタノメダカとミナミメダカの境界線にあたる貴重な場所でもあります。
極限の危機に瀕するめだか
失われゆく自然環境
かつては日本全国の小川で普通に見られたためだかですが、1980年代頃から野生のめだかが各地で大幅に減少し始めました。
その主な理由は、
環境汚染
農薬の使用や生活排水による水質悪化
極限の破壊
護岸工事や水路整備により、めだかが優しい流れの穏やかな場所が減少
外来種の影響
ブルーギルなど繁殖力の強い外来魚による圧迫
農業環境の変化
水田の用排分離により、水田に入れず繁殖できない
守る大切さ
2003年5月、「めだか」は環境省により絶滅危惧種に指定されました。めだかの保護は重要なことですが、水域ごとに異なる遺伝の特徴を守ることが大切です。
改良めだかの世界
江戸時代から続く観賞魚文化
「めだか」は江戸時代から観賞魚として日本人に愛され、野生の時代に突然変異で生まれた「ヒメダカ」が特に人気で、多くの人々に飼育されました。
改良された品種は、2000年頃には約20種類でしたが、現在では500種類以上に増えています。
多様な改良品種
改良めだかは主に以下の体型に分類されます。
普通種体型:野生のめだかに近い体型
ヒカリ体型:背中に美しい光沢を持つ体型
ダルマ・半ダルマ体型:体が短く愛らしい体型
特に光沢を持つ「幹之(みゆき)めだか」は、その美しさで多くの愛好家を魅了しています。
めだかと暮らす豊かな時間
小さな生き物との触れ合い
現在、野生のめだかは限りある種のため、無断で採取することは禁止されています。
めだかの飼育は比較的簡単で、小さなスペースでも始められます。美しい姿でスイスイと泳ぐめだかを眺めていると、忙しい日常の中にも、ゆったりとした豊かな時間が流れます。
自然を大切にする心
めだノート飼育する際の重要なルールは、絶対に自然界に放流しないことです。これは生態系を守るための重要な約束です。
童謡「めだかの学校」に歌われるように、めだかは日本の美しい原風景を象徴する生き物でした。
めだかとの新しい出会いへ
日本で最も小さな淡水魚であるめだか。その小さな体には、長い歴史と豊かな自然への思いが込められています。
丹波とめだか「とと」では、丹波の美しい自然と清らかな水で、心を込めてめだ育てています。
めだかとの出会いが、あなたの日常に新しい喜びと、自然への感謝の気持ちをもたらしてくれます。